視覚ハンディキャップテニス誕生の歴史
 

視覚ハンディキャップテニスは JHTF活動機構の研究協会が競技設計を行い 神奈川県ライトセンターで 第一回公開講習を実施しました。 その後 国立身体障害者リハビリテーションセンターへと紹介を進め 横浜市立盲特別支援学校にも紹介を図りました。

視覚ハンディキャップテニスは 身障者スポーツとして開発したテニスですが 更に 視力のある人が 全盲、弱視の人と競技対戦可能な サウンドテニスの競技設計へと進みました。
サウンドテニスは 身障者スポーツとしての競技に加え 更に 競技内容をバージョンアップし 障害の有無にこだわらない 市民スポーツのひとつとしても 設計しています。



国内外初となる視覚ハンディキャップテニス競技が開発されるまでの取り組み ・・

NPO法人日本ハンディキャップテニス連盟(JHTF)が 1977年から取り組んだ 車椅子テニス開発に始まる様々な障害対象のテニス事業のひとつが 視力関係テニスプログラムです。

JHTFは 国内初の車椅子テニス環境づくりを進めた後に 肢体不自由や 聴力障害 内部障害 知的障害などのテニス開発を進めました。
視力障害のテニス内容を生み出した背景には 難しいとされる機能障害の人達など含め 様々な障害の人達が楽しむテニス機会を 具体化した経験を活かしています。

テニスは 上達することが比較的むずかしいスポーツです。 しかし 難しいけれど・・ 楽しんでみたいと思う人達の存在を考え・・ テニス講習の対象をすべての障害に広げました。
実施した講習は 一般テニスレッスンとは異なり 手足に機能障害のある人達や体力少ない人達などテニス参加の機会がなかった人達を主対象にした内容です。

こうした人達がテニスを楽しむ上で ひとりひとりの身体条件に適した指導法を考える必要があります。 他方面から見ると 無理だと思われるテニスレッスンが数多くありましたが 工夫すれば 楽しむ方法を生み出すことは可能です。 全盲の人達のテニス参加を具体化したのも 同じ講習企画の一環です。


視力障害の人達の競技には 日本ハンディキャップテニス大会種目の障害重い人達を対象にしたスポンジボールクラスの3バウンド競技規定を導入しました。 加えて コートも対戦相手も見えない状態の中でプレーするための方法と規定を考え 競技基本を 硬式テニス競技規定を土台にした 競技内容を設計しました。

NPO団体の研究活動で進めた視力障害の人達のテニス開発は 聴力でボール位置を確認するために スポンジボールに金属製の鈴を挿入しました。 次に、盲卓球ボールの音が残響が多く 聞き取り易いとの意見を受けて リハ関係者と相談して 新しい音源開発までの期間として 盲卓球ボールを挿入したボールを 競技ボールとしました。


近年は スポンジボール使用のテニス競技に取り組んでいるNPO事業ですが 活動当初の約20年間は 車椅子テニスなど 様々な障害内容に対して進めたテニス企画は硬式テニスです。
こうした硬式テニス講習に 心臓手術した女性が担当外科医の許可を得て参加、また 人工透析中の男性や肺機能 3/4 を切除した元水泳選手など 様々な障害の人達が参加しました。

肺機能が弱い状態の元・男性アスリートは 5分練習しては 20分休憩するペースで進めるテニス練習でしたが 終了後 楽しい経験ができました・・ と笑顔で帰りました。 
この他に 両手両足が動かせない子供達や テニス体験機会のない子供達など・・ 難しいと考えられていた人達を含めて テニス参加を喜ぶ姿は 更に新しい開発につながりました。

 


   視覚ハンディキャップテニスの誕生に伴う 残念な問題発生


視覚ハンディキャップテニスが生まれるまでの概略は前述の通りですが このテニス内容を 全盲の青年が最初に考案したテニスとして 報道した放送機関が現われました。
放送内容は 取材者による捏造されたシナリオです。 正しい誕生の歴史やこのテニス内容開発の研究過程などを調べることなく 視聴率目当ての勝手な番組づくりは許せません。

しかし テニス競技経験もなく 数回の講習経験だけの視力障害の人が  自分が学んだ 視覚ハンディキャップテニスの考案者になるのでしょうか。 真の開発者の存在を無視して・・
また 音源入りスポンジボールを 初めての練習参加で経験した青年を 音の出るボール考案者として・・ 紹介? 彼の周囲にいる人達は なぜ虚偽の内容を宣伝するのでしょうか。
こうした事実と異なる虚偽の内容を使用する方法で宣伝しないと 海外方面への紹介は難しいと考えての活動であれば 心寂しい行動です。


過去に 自分で収集した数千年前の縄文時代石器を 数十万年前の地層に埋め、旧石器時代の遺跡発見と発表した研究者がおり 歴史認識を変えた大きなニュースがありました。 
この遺跡捏造のニュースにも類似して・・ 全盲の人が考えたとするテニス競技は 世界初として 他の報道機関も 内容の真偽を十分に確認しないで・・ 放送し、記事にしました。
地道に新しいテニス内容の開発に尽力した関係者の歩みと この活動事業を良き理解で支えた多くの人達の信頼を傷つけたことは 残念です。


放送の主役にされた青年は 視覚ハンディキャップテニスを知る以前は プラスチックボールで 障害者スポーツセンター職員を相手に打球練習していた人物です。 
視力のない状態でプラスチックボールを打球することは危険と考え 施設職員の紹介により 彼を音の出るスポンジボールを使用する横浜会場の講習に招いて 指導しました。

彼は 国立身体障害者リハビリテーションセンターの講習会にも参加 そこで競技方法を学びました。 この練習後には 高田馬場までの帰路をガイドしながら会話しました。
会話で知った真面目で良き人柄の彼が 誤った放送内容を利用することになった背景には 放送番組の取材方法に問題があったと考えておりました。


こうした状況の中 彼を汚れた主役にすることのないように 本人に会って取材当時の事情を確認したく メールなど数回の連絡を行ったのですが 電話連絡のときには 「今 外出先のため 自宅に戻り次第 すぐに連絡します・・」 との回答を得ることが出来ても その後の連絡はありませんでした。
電話口で 懸命に 「必ず連絡します・・」 と答えていながら 返信出来なかった理由のひとつに 彼を広告塔に利用している周囲の人達の影響があったのでは・・ と推測しています。


残念な問題の発生・・ 事実と異なる報道に障害のある人達が もし積極的に関わっていたら 障害者に対する社会の偏見が増える心配もあります。 しかし・・
捏造放送の道具に利用されていれば・・ と心配して 事実を確かめ 青年の人格を守ることができれば・・ と考えておりました。 残念ながら 彼は不慮の電車事故で他界しました。
青年
(当時)が弁明する機会は 失われましたが 真実を示す方法は失われていません。 フェアなスポーツへの取り組みと信頼できる環境づくりが大切にされる社会は必要です。


 
彼はパラリンピック種目にと・・ ゆめを語っていたとのことですが テニス競技の参加経験もなく 様々な障害の人達のテニス活動のことも知らない状況で 全盲の人達が楽しめるテニス競技の考案は難しいことです。 テニス経験のない人物を番組の主役にした捏造シナリオをつくり報道し その放送内容を利用した人達によって 事実と異なる内容が広がったことに懸念しています。

全盲など視力障害の人達が楽しめるテニス競技の具体化が難しいことは テニスの長い歴史の中で実現されなかった状況を考えれば 分かることです。
この問題の発生によって 障害のある人達のスポーツ参加に尽力する人達が減少すること・・ また 障害のある人達に対する偏見が増えることはないのかと・・ 心配です。


このテニス内容を設計したのは 日本ハンディキャップテニス連盟の代表者です。 様々なテニス開発と国内各地への紹介を含め 名声を求めることもなく 取り組んで参りました。
紹介のスポーツ内容が 障害の有無を超えた 人と人の絆が育まれることを願い 40年間の長い期間にわたり進めた活動事業です。

硬式テニスの企画事業も数多くありますが 誰でも簡単に親しめるスポンジボールを使用するテニス内容を スポーツ参加とは無縁だった重度障害者の療護施設の人達に紹介 また 大規模被災地域の子供達を元気づけるなど・・ 多くの研究工夫と実践を積み上げて 各地に紹介した企画事業は テニスの新しい社会活用の道を拓くことが出来ました。


この視力関係テニスの開発を含め 障害のある人達や体力少ない子供達に対するテニス関係事業を進めてきた団体ですが 十分な資金を有していないことから 海外に対しては ネットによる公開資料と YOu Tube 資料などの一部に限られてきました。 しかし こうした内容公開が 少しでも役立つことを願っています。
 

 本文の文責は NPO法人日本ハンディキャップテニス連盟の代表です。 紹介内容に異論あれば 公の場で 専門家や報道関係者も加え 論議することを進めたいと考えています。



日本ハンディキャップテニス連盟は 様々な障害のある人達のテニス参加の機会づくりを進めて参りました。 名声も営利も求めず 運営資金の大半を 関係者達が複数の仕事で生み出す活動で進めた40年余にわたるNPO事業です。 この取り組みを温かく支援協力された方々がいます。 

この多くの協力や良きご支援の方々の信頼と温かな力を無にする アンフェアな動きが生まれたことは残念です。 
今後 フェアな姿勢で関わる人達に対しては 国内外を問わず 競技設計者としての立場も含め 練習方法や指導法の紹介を力の続く範囲で進めたいと思います。

 

 NPO法人 日本ハンディキャップテニス連盟  代表 三宅 孝夫


 視覚ハンディキャップテニス内容を 市民スポーツのレベルにバージョンアップした サウンドテニスが 開発されています

  サウンドテニス競技規定