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ラケットを握る右腕がない青年は 左手の指もない状態でした。 その出会いが 有明テニスの森公園で開催した日本ハンディキャップテニス大会でした。 すべての障害内容を対象にしたこの大会は 当時 国内初の企画ですが 毎年各地から多くの参加があり 彼はそのひとりです。 大会参加の彼は ウエアの下に リュックのように クロスバンドを両肩にかけて 腕のない右肩には ラケットをゴムバンドで装着したスタイルで競技参加しました。 右肩には腕はありませんが 腕に代わる義手のように ラケットがあります。 その右肩を動かすことで自在にラケットを操作し フォアもバックも 巧みに打球しました。 しかし 左腕の指がない彼のサービスは トスもワンバウンドさせることも不可能でした。 そのため ボールをコート上に置き 後ろ足で挟んでジャンプすることによって 20~30cm 跳ね上がったボールをサービスしました。 指導者としての考えではなく この選手例は 愛好者自身の工夫です。 彼の独特なサービスが生まれた背景には JHTFが多くの障害内容に対応した指導経験、企画実績から設定した ハンディキャップテニス競技規定 があります。 競技規定を独学で修得して 独特な練習方法を生み出しました。 しかし こうした青年が存在しても 国内で開催される数百以上のテニス大会では 障害のある人達が参加できる企画は皆無に近い状況です。 この偏見が スポーツ本来の内容と魅力を小さなものにしています。
障害のある人達に対する偏見なのか・・ 国内は 大会も講習も NPO活動以外には 国内テニスを統括すると自認するテニス協会の取り組みも 皆無です。 スポーツは 工夫次第とテニス関係者の優しい心で より多くの人達が楽しむ機会を増やすことが出来ます。 そうした優しさをもつ選手と選手のスポンサー企業の良き理解の下で実現した特別クリニックを神戸のテニスクラブを会場にして 企画・開催しました。 JHTFは このクリニックの参加者メンバーに 前述の青年を 招待しました。
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