テニス参加を あきらめない・・ 諦めない ための工夫   (004) 両手と右足が麻痺して 動かせるのは左足だけの少女のテニス参加
   

新宿区にある全国身体障害者総合福祉センターと併設の戸山サンライズ体育館を利用して ハンディキャップテニス講習を実施していた当時・・ 
脳性まひによる両手と右足に機能障害があり 動かせるのは左足だけの少女が ボランティアのサポートでテニス練習している姿に接する機会がありました。
このテニス練習をサポートしていたのは ご自分の家族にも障害児をもつ女性です。

3肢に障害のある少女(栄子さん)が テニスをやってみたいと希望したことを実現するため・・ この女性は 動かせる左足のシューズに ラケットを包帯で固定し 足テニスを具体化していました。

コート内を俊敏に動き回る能力の高さが 競技結果に結びつくテニスの特徴を 足ニスと評されるテニスですが 少女は正真正銘の足ニスの世界を楽しんでいました。
足にラケットを固定する方法を考え出した女性(奥野さん)のアイデアは 国内各地の重度障害者が生活する身体障害者療護施設を訪問した中で 両手を動かすことの出来ない人達がテニス体験するときに採用させていただきました。  参考資料  コートの外のスポーツ心を訪ねて

栄子さんに どうしてテニス参加したいと思ったのかを尋ねると・・ 脳性まひの人達でもテニスが楽しめることを 多くの人達に知ってもらいたい・・ との答えでした。
この出会いから 同じ場所で定期的に実施していた講習に彼女も参加し 更に 有明テニスの森公園を会場とした日本ハンディキャップテニス大会競技にも参加しました。
車椅子移動を補助するパートナーに プロテニス協会の女性指導者が加わり 対戦競技相手との間で懸命なプレーを展開しました。 このときの競技は硬式テニスです。

ハンディキャップテニス競技の規定では 車椅子を自走出来ない人達が車椅子の移動を補助する人と一緒に競技参加することを認めています。
しかし 補助する人が個人でプレーする一般テニス競技に比べて負担は数倍以上です。 規定では 車椅子プレイヤーは 疲労した人に代えて 他の人を選ぶことが出来ます。

負担の原因となるのは 通常の車椅子補助とは異なり 片足でプレーするプレイヤーが 最も打球し易い位置に車椅子を 素早く動かす必要があります。
対戦相手の打球を見て 車椅子のプレイヤーが打球し易い位置に移動させるために 補助する人の競技センスが優れていると 良いプレーにつながります。
車椅子を自走させることの出来ない人が 補助する人と共にポイントを獲得した時 共に喜び合うシーンは 観戦する人達にも感動をもたらします。


電動車椅子の使用を考える人達がいますが・・ 現実は 片手しか動かせない人達は その片手で電動車椅子のレバーを操作しているために ラケットが握れません。
車椅子を操作しながらラケットが握れない障害の人達に対して テニス参加を諦めるのが良いと考える人達がいるかもしれません。

しかし 近年 関心の高まった車椅子テニス競技を実現させることに 当時の日本テニス協会は関心が薄く  取り組みを進めなかった時代があります。 NPO団体の存在がなければ 国内車椅子テニス競技の誕生も発展もなかったことを考えると・・ 今も メダル獲得の高い人達ばかりに関心を示し 障害の重い人達のテニス環境づくりを進めない協会の考え方は 心寂しいばかりです。

包帯などでラケットを固定して打球を繰り返すと ラケットが少しずつ緩むことがありますが コーチ役の方が 靴底に金属ビスで固定する方法を考え テニス専用シューズをつくりました。
練習などを行うときに ラケット付きのシューズを履き替える方法で 簡単にテニスを楽しめます。

こうしたアイデアに加えて テニスのエキスパートである指導者やテニス関係者の広い視野と様々な視点があれば・・ 多くの人達がテニスを楽しむことが可能になります。

   

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