スポンジ・スーパーテニス 競技規定

Sponge super tennis competition rules
  ( 規定1 ) 競技ボール

競技ボールは 直径 9cm、 重量 26g〜 28gのスポンジ製ボール、ボールカラーは黄色とする。 
競技ボールは 木造床面に 200cmの高さから自然落下させ、第1バウンドの高さが 70cm以上、第3バウンドの高さが 10cm以上とする。
S・ST は スーパー競技ハンディを適用する子供達や高齢者、身障者等について 第3パウンド後の打球まで有効とする内容に基づく規定です。


公式競技を 除いて、参加者の体力に応じて 直径 7cm〜 9cm、 重量 15g〜 30g のスポンジボールを使用することが認められる。

 ( 規定2 ) 競技ラケット

競技ラケットはハンドルを含め、全長 55cm以下、全幅 30cm以下とする。  ※市販品のラケットは 全長 19インチ〜 21インチのサイズが 該当する。
両手の機能を失っているプレイヤーが、足にラケットを伸縮包帯などで固定してプレーすることが認められる。

体力的、身体機能的に規定サイズのラケット使用が負担となるプレイヤーは、ラケットを手首に伸縮包帯で固定すること、また、卓球競技ラケットや他の球技用ラケットを 規定ラケットの代用として使用することが認められる。
 
 ( 規定3 ) 競技コート

コートは、13,4m×6,1mの長方形とする。 このサイズはバドミントンコートの外形サイズと同じです。
S・ST 競技は、プレイヤーの体力や技術レベルを対戦相手と比較した内容によって、下記の各競技コートを選択することが認められる。
初級レベルのプレイヤーは、Ver 1 競技 または Ver 2 競技で行い 中・上級レベルのプレイヤーは、Ver 7 競技 で行う。

公式競技並びに大会競技については、プレイヤーは大会競技要項等に決定した競技コート規定に従うものとする。
室内施設で競技を行う場合、天井の高さは 公式競技は 8m以上、他の競技では 3m以上とする。
競技スペースは、公式競技では 21m×10m 以上、他の競技では ベースライン後方に 2m以上、コート横方向に1m以上とする。


  室内施設の活用拡大に向けた競技開発
室内施設でコートを 設定する場合、公式競技を 除く競技を行う場合、天井の高さが 3m以下の場所でもプレー出来ます。 競技中の打球が天井に接した場合、1ゲーム中、1回に限り、天井に接した後に 相手コートに入った場合は レットとし、そのポイントをやり直します。 
天井に接した打球が 相手コートに入らなかった場合は失点とし 1ゲーム中、打球が天井に接した回数が2回を超えた場合 打球したプレイヤーの失点とする。

公式競技大会には認められませんが、身近な場所で楽しむための競技規定として コートのタテ・ヨコの長さと コート上の規定高さを 競技者間で調整することにより、大小様々なビルの中にある空き室の活用が可能になります。 但し プレーに大きな影響 (安全面を含む) を及ぼす環境の中で競技する調整は行わないことを推奨します。

既存体育館のバドミントン競技ラインを活用する場合 ベースライン後方のスペース不足と隣接コートを同時使用する場合のスペース不足が競技に影響を及ぼすことを防ぐために
  Ver 6 競技コートを設定しています。 

既存施設でスーパーテニスの公式競技コートを特設する場合 ゲーム進行を安全に行うために バドミントンの1/2〜1/3 コート数に減少することに留意してください。
Ver 6 競技は 公式競技とは別に コートの一部 (サイドラインの長さ) を縮小することで プレイヤーの安全を優先した設計を図った競技方法です。 

 ( 規定3−a ) Ver 1 競技  ※ Standard game coat

ネット左右 30cmの位置にネットと平行に 610cmの長さのフロントラインを引き、ネットから 670cmの位置にネットと平行に 610cmの長さのベースラインを引く。

フロントラインとベースラインの左右両端を結ぶ 640cmの長さのサイドラインを引き、ベースラインからネット方向 500cmの位置にネットと平行に610cmのサービスラインを引く。

ベースラインを二等分した 305cmの位置からサイドラインと平行に 500cmのセンターラインを引き、サービスラインとベースラインに囲まれた範囲をセンターラインで 2等分して左右のサービスコートとする。

ネットは、コートの縦方向を二等分した 670cmの位置にセットする。 ネットの高さは側端部で 85cm、中央部で 75cmとし、ネット中央部にセンターベルトをセットして、ネットの高さ確認にも役立てます。
 ( 規定3−b ) Ver 2 競技  ※ Super game coat

Ver.1 コートの中にスーパーポイントエリアを設定したコートを Ver. 2 コートとする。
スーパーポイントエリアは左右サイドラインの内側 100cmの位置にサービスラインからベースラインまでセンターラインと平行に引く。

このサイドラインとサービスライン、ベースライン、ポイントラインに囲まれた範囲をスーパーポイントエリアとする。 (※スーパーポイントエリアは、ポイントエリアと略す)

コートラインの幅は、ベースラインは 50〜100mmとし、他のラインはすべて 50mmとする。 ラインカラーは白色とする。


スーパーポイントラインについては、既定の白色ラインの内側 25mm の位置に 赤色または紺色のカラーラインを重ねて貼付またはペイントすることが認められる。
芝またはカーペット等にコートを特設するための貼付しないライン使用も認められる。
 ( 規定3−c ) Ver 7 競技   Senior game coat

Ver 2 競技に規定したスーパーポイントエリアを 100cmから 30cmに変更した競技方法を Ver 7 競技 とする。 Ver 7 競技は Ver 2 競技に規定したポイントエリアの範囲を縮小し、左右のサイドライン内側 30cmの位置にサービスラインからベースラインまでセンターラインと平行に設定する。

Ver 7 競技は、 Ver 1 競技 並びに Ver 2 競技の規定に設けたフロントラインを削除して、ネット際からベースラインとサイドラインに囲まれた範囲すべてをインコートとする。

S・ST 公式競技は Ver 7 競技で行い 硬式テニスの中・上級レベルのプレイヤーが参加する競技は、ハンディキャップ特別規定並びに競技ハンディは適用しない。 

Ver 7 競技は、硬式テニスと同じ高い競技レベルの力を引き出します。
体力に頼らないで 様々なプレーが展開出来るテニスです。
 ( 規定3−d ) Ver 6 競技  ※ Applied game coat

既存体育館施設に設置されていますバドミントン競技ラインの一部を Ver 6 競技の コートライン として使用することができる。
Ver 6 競技のコートは、バドミントン競技のロングサービスラインとバッグ・バウンダリーラインとのスペース 72cm をアウトコートに規定し、ベースライン後方のスペースを 220cm 以上確保して競技を行うものとする。

Ver 6
競技
の競技スペースは 縦方向に 1,624c m以上、横方向に 1,010cm以上の広さを必要とする。
各コートが隣接する場合は、競技コートの横方向を 610cm から バドミントン競技のシングルスサイズの 518cm に変更することが認められる。
他のコート規定のラインを短縮した Ver 6 競技で行う公開、公式競技大会では、その実施要項にコート規定の内容を明記するものとする。
 ( 規定4 ) フロントライン

Ver 1 競技 並びに Ver 2 競技は  ネットの両側 30cmの位置にあるフロントラインとネットの間をアウトコートとする。
フロントラインは 初級者がネット際に落ちたボールをネットにラケットを触れずに打球するのはむずかしく、また 機能障害や体力不足によって身体のバランスがとりにくい人達の動きも考慮し、ネット近くの危険を少なくするために競技規定に加えています。

フロントラインの設定は 競技参加者の中に障害や体力不足によって この規定を必要と認められるゲームに対して特設し、対戦競技によってフロントラインを 削除することが認められる。
 ( 規定5 ) スーパーポイント

ポイントエリアにバウンドしたボールの返球に失敗した場合に限り、スーパーポイントと名称する失点が生まれます。 
この失点は バウンドする前の返球に失敗した場合は、通常の 1ポイントに加えて 2ポイントの失点とする。
スーパーポイントエリアを設定した各競技コートには スーパーポイントの規定を適用する。
 ( 規定6 ) 参加者

S・ST 競技は、特定の大会規定として一定の参加基準を設けない限り、参加者の運動機能ハンディの有無や体力、年齢、技術レベルによって参加することに制約を設けないことを基本とする。 運動機能障がいのあるプレイヤー、もしくは、体力が著しく少ないと見なされるプレイヤーが競技を行う場合、次のハンディキャップテニス規定を競技内容に加えることができる。 この規定内容は、競技開始前、もしくは新しいゲームに入る前に確定するものとする。
 ( 規定7 ) ハンディキャップテニス規定

a サービスを行う場合、コート上に自然落下させた1パウンド後のボールをサービスすることが認められる。
b サービスを行う際に、ボールを トス または バウンドさせる操作に補助者の協力が認められる。
c 体力が著しく小さいプレイヤーは、サービスラインを超えない位置までネットに近づいてサービスを行うことが認められる。
d 車椅子 または 歩行器を使用するプレイヤーは、コート上の移動に補助者の協力が認められる。
  但し、打球動作については、プレイヤー自身の力で行う打球に限られる。
e 高齢者や幼い子供達、体力少ない人達、下肢に運動機能障害のある人達の打球は 2バウンド後、3バウンド後までを有効と認める。
 ( 規定8 ) スーパー競技ハンディ

スーパー競技ハンディは対戦者の競技レベルが下位と見なされるプレイヤーに選択権を設ける。
競技大会では大会認定ゲームディレクターの判定に従い、通常のゲームは対戦する人達が競技レベル差の有無を判断し、必要とされる競技ハンディの内容を選び、適用する。

競技レベルが下位のプレイヤーが 2種類以上のハンディ内容を選択した場合に限り、競技レベル上位のプレイヤーは 選択された1種類について、他の競技ハンディ 内容に変更できる。


     対戦相手よりも競技レベルが上位と見なされるプレイヤーに対するスーパー競技ハンディ 競技レベル差を補う) の内容は次の通りとする
競技ハンディ の内容 競技ハンディ の内容
G-1 サービスの方法をアンダーサーブに限定する G-2 相手の2バウンド後の打球までを有効とする
G-3 相手コートをポイントエリアを設定しない標準コートとする G-4 相手コートについてのみ、ポイントエリアもアウトゾーンとする
G-5 相手の3バウンド後の打球までを有効とする G-6 コート内に両足が入っている場合、ノーバウンド打球を禁止する
G-7 ポイントエリアにバウンドしたボールの返球失敗は3失点とする G-8 プレイヤーの守備コートすべてを3失点のポイントエリアとする
G-9 競技レベルや体力に極端な差がある場合、上記内容以外のハンディを 設定することが認められる 
 ( 規定9 ) 試合方法

   競技は 1ゲーム、5ポイント先取で行い、試合方法は次のいずれかを選んで行う
@ 1ゲーム 5ポイント先取、1セット 2ゲーム先取、1セットマッチ
A 1ゲーム 5ポイント先取、1セット 4ゲーム先取、1セットマッチ

B 1ゲーム 5ポイント先取、1セット 4ゲーム先取、3セットマッチ
Ver 2.10 競技、Ver 7.10 競技、 Ve 6.10 競技は、スーパーポイントが適用される関係で、1ゲームが 6ポイントで終了する場合があります。 
 ( 規定10 ) 競技方法

(A) 最初のゲームが終了すると、コートサイドを交代し、サービスも交代する。 
(B) 2ゲーム目終了後、サービスのみ対戦相手と交代する。
(C) 3ゲーム目終了後、コートサイドを交代してサービスも交代し、1試合が終了するまで (A) (B) (C) の内容を 繰り返す。
    スーパーポイントによって 試合途中のカウントが通常のテニスポイントと異なる場合も サービスサイドの変更はありません。
    このため 偶数ポイントで アドバンテージサイドからサービスを行う場合もあります。

 1セット 2ゲーム先取試合方法の場合
 第3ゲームは対戦者の得点が合計 3ポイント もしくは 6ポイントになったときに サービス権を交代する。
 第3ゲームのサーバーは スーパーポイントによるカウントが偶数ポイントとなった場合を含めて 最初のサービスを左サイドから行う。
 サーバーのボールが ネットにふれて相手のサービスコートに入った場合は有効とする。
 ( 規定11 ) S・ST 競技規定 (硬式テニス規則との比較点) 

各ゲームのポイントは、5ポイント先取方式により最大 4ポイントまでのカウントで、デュースがないために次のポイントで各ゲームの勝敗が決まります。
競技中のカウントは、ワン(1)、ツー(2)、スリー(3)、フォー(4) を 基本として、それぞれの母国語でのカウントも認められます。 
対戦相手との言語が異なる場合には、発声によるカウントに加えて 互いに 5本の指を使用した表示が求められます。

サービスレットについて、S・ST は ネット並びにネットポストにふれて相手コートに入ったサービスも有効とするノーレット方式とします。
競技中の技術的、戦術的なコーチングは禁止されますが、競技ルールについての周囲からの助言は回数を問わず認められます。
5歳未満の子供達に対するコーチングは、回数を問わず認められます。

競技中のボール交換について、明らかに不規則なパウンドをしている場合、バウンドの弾みが規定基準以下(規定1)と見られる場合、ボール表面に損傷がある場合は新しいボールに交換することが認められます。 ボール表面の自然な汚れなどの変色を理由とした交換は認められない。
 ( 規定12 ) 競技の失点

 
 プレイヤーは次の場合にポイントを失う。
● 返球したボールの最初のバウンドが相手コートに入らなかった場合にポイントを失う。
● ノーバウンドの打球を身体に当てられたプレイヤーはポイントを失う。
● ネットを越えてくる前のボールを打球したプレイヤーはポイントを失う。
● プレーが継続中、プレイヤーが身につけている着衣や帽子、タオル類がネットやネットポストに触れるとポイントを失う。
● 手から離れたラケットにボールが当った場合、そのラケットを使用中のプレイヤーはポイントを失う。
● プレー中のボールをラケットで一度停止させたり、2回以上ラケットに当てた場合はポイントを失う。

● ネットとサービスラインの間に落ちたサービスはフォールトとし 他の打球が ネットとフロントラインの間に落ちた場合は失点とする。
 ( 規定13 ) 用具、コートの適用基準

S・ST 競技は、シングルス競技、ダブルス競技、ミックストダブルス競技はすべて同一サイズのコートを使用し、すべての年代、すべてのテニスレベルの人達は同一サイズの規定コートを使用するするものとする。
競技に使用するスポンジボール、ラケットは、幼児も成人も同一サイズの用具を使用するものとし、ラケットの重量については限定しないものとする。
 ( 規定14 ) 競技規定の基盤と補則

S・ST 競技として規定した内容以外のテニス規則は、JTA または ITF (国際テニス連盟)の規定したテニス規則の内容に準ずるものとする。
 ( 規定15 ) 競技規定の改訂

競技規定の改定は、多くの人達にテニス参加の機会と環境を育む上で、適切かつ有効な内容と認められるものについて検討し、十分な実施経験をベースにして行うものとする。 改訂の意見は、国籍、テニス経験、テニス競技実績に左右されることなく、提案することが認められる。

意見の集約、改訂の検討について、当面はS・ST 開発のJHTFと日本スポンジテニス協会が所管し、国際組織が誕生した段階で、競技運営、関係規則の管理等のすべてを移管する。 なお、必要に応じて各国単位でローカル規定を加えて競技企画を進めることを可とし 国際競技では本競技規定を 基本にして行うものとする。

規定管理  日本スーパーテニス協会     資料管理  NPO法人日本ハンディキャップテニス連盟